大学教育再生プログラム(AP) テーマⅠⅡ複合型

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     ディプロマ・サプリメント・システムを中心とした全学的な卒業時における質保証体制の確立

大阪工業大学
 ディプロマ・サプリメント・システムを中心とした全学的な卒業時における質保証体制の確立

テーマⅤ「卒業時における質保証の取組の強化」

事業期間:2016年度~2019年度

【取組の概要】

 本学は、「実践的な専門職業人育成」を目指す建学の精神の下、3つのポリシー整備や教育課程の改定、教職員のFD推進など、全学的な教育力向上の取組を継続的に進めている。2016年3月に示された学長方針「適正な成績評価基準に基づく厳正な成績評価の実施」は、本学全体の改革推進基盤として、各授業科目のミニマム・リクワイアメント明確化や学修成果の可視化による学生の自律学修および効果的修学指導の促進など、豊かな学修成果獲得に向けた多様な取組を促進している。今回、この動きをさらに加速させるため、学修成果を包括的に蓄積・可視化する本学独自の『ディプロマ・サプリメント・システム』を構築し、この運用に付随する様々な教育改善の新たな取組に向けて、全学教職員の総力を傾注する。また、外部人材との協働も充実させ、社会のニーズに適う質保証と教育改善サイクルを確立する。

【取組のポイント】

➢社会のニーズを踏まえたポリシー改定と、全教職員への認識共有による体系的・組織的な教育活動
➢学修成果の客観的評価方針策定と、ミニマム・リクワイアメント明示による厳正な進級・卒業認定
➢「ディプロマ・サプリメント(DS)」及び運用システムの開発と、修学指導や就職活動・採用選考での活用
➢学外人材からの助言・評価や、卒業生・企業等への調査を通じた教育改善への活用手法の確立

【キーワード】
「ディプロマ・サプリメント・システム(DSシステム)」、「ミニマム・リクワイアメント」、「学修成果の可視化」、「自律学修」、「効果的修学指導」

【人材育成目標】

 本取組の目的は、厳正な成績評価等に基づく学修成果を包括的に蓄積した『ディプロマ・サプリメント・システム』を新たに構築し、この運用に付随する様々な教育改善の取組を、全学部・学科の教職員を巻き込み実行し、さらに、外部人材との協働により、社会のニーズに適う質保証と教育改善サイクルを確立することである。これにより、「実践的な専門職業人の育成」を目指す建学の精神の下、教育理念として「専門学術の基礎と実践的応用力」「広い視野と豊かな人間性」「開拓者精神」の獲得を掲げ、産業界や時代の要請に応える人材を輩出することを目指す。

【教育上の課題】

 本学では、2010年度に学科ごとの3つのポリシーを制定し広く学内外に周知を図ってきたものの、必ずしも内容は具体的なものではなく、社会のニーズを十分に踏まえているとはいえない状況であった。また、2016年3月には、シラバスにミニマム・リクワイアメントを明記し、「適正な成績評価基準に基づく厳正な成績評価の実施」が方針として提示されたものの、ディプロマ・ポリシーの測定は容易でなく、学修成果の客観的評価基準は体系化されていなかった。そのため、教育効果の最大化による質保証が効果的に実施できるようにするための、より一層の体制充実が求められていた。

【これまでの取組、実績・成果】

<取組>
●2016年度に実施した実効力評価委員会で外部委員から聴取した意見や卒業生アンケート等を活用し、3つのポリシーの見直しを全学的に実施した。これに付随し、カリキュラム、卒業・進級要件、および履修上限単位数等の見直しも全学的に行った。
●全授業科目のシラバスにミニマム・リクワイアメントを記載し、適正な成績評価基準に基づく厳正な成績評価の運用を実施した。また、アセスメント・テスト(専門知識確認)の合格を卒業研究着手要件(一部卒業要件)とした。
●「ディプロマ・サプリメント」の出力機能を有する『ディプロマ・サプリメント・システム』を構築し、全学生に公開した。また、そのシステムの活用教本となる「キャリア形成支援手帳」を開発し、工学部の全学生に配付して修学指導を実施し、就職支援活動を拡充した。
●社会ニーズに適合した学修成果測定のため、汎用的能力を点検する学士力(外部)アセスメント・テストを実施し、本テスト結果の活用法解説を含めてキャリア形成支援講座を実施した。

<実績・成果>
●見直しを行ったカリキュラム、卒業・進級要件および年間履修上限単位数等の制度を2018年度入学生から適用し、質保証にかかる教育課程の充実に繋げた。
●シラバスでミニマム・リクワイアメントおよびそれを踏まえた学修成果評価方法について明示し、学生と教員間で学修指針を明確に共有でき、授業外学修の充実など能動的な学修活動促進と効果的な指導提供に資することができた。
●『ディプロマ・サプリメント・システム』の構築と導入により、学生は従来の修得単位数等以外に、各自のDP達成状況などの詳細な学修成果を自己点検することが可能となり、その点検結果を踏まえた自律学修を従来以上に促進する基盤を整備した。また、このシステムの活用で、学生の学修状況を指導教員との間でタイムリーに共有できるとともに、「キャリア形成支援手帳」を活用した綿密な修学指導実施、および学生の質保証を確保する体制拡充を図った。
●汎用的能力の成長度を測定する学士力(外部)アセスメント・テストを1・3年次で実施し、その間の成長度を可視化し、学生の自己認知を促進した。また、本テスト結果を踏まえて、より一層の能力育成に繋げるためのキャリア形成支援講座を実施し、学生が社会で活躍するための能力育成を強化できた。

【今後の取組の計画】

<取組の計画>
 2016年度からの実施内容の継続・改善に加えて、『ディプロマ・サプリメント・システム』の全学的本格活用による修学指導、「キャリア形成支援手帳」を用いた本学独自のキャリア形成、「ディプロマ・サプリメント」を活用した就職活動を本格化する。また、教学関連データやアセスメント・テスト(専門知識確認)、学士力(外部)アセスメント・テストによる各種IRデータの蓄積、分析と課題抽出、解決に向けた取組に着手するなど、教育IRに基づく具体的な内部質保証活動も実施する。

【本取組における成果と社会へのインパクト】

●『ディプロマ・サプリメント・システム』構築と活用
ミニマム・リクワイアメント設定により、高等教育機関としての学位取得水準を従来以上に明確化
大阪工業大学版「ディプロマ・サプリメント(学修成果補助証明書)」による産学協働での人材育成基盤の提案
学修成果の綿密な可視化による学生の自律学修環境拡充
●「教育IRシステム」構築と活用
高等教育機関としてのエンロールメント・マネジメント推進に  向けた基盤モデル提示

【本取組の質を保証する仕組み】

●3つのポリシーに基づく教育活動の実施
 ・3つのポリシーの一貫性強化とそれに基づく教育推進によるOIT学士力(DPの達成)獲得促進
 ・自律的学修計画策定に向けた修学指導
●卒業段階の能力を客観的評価する仕組みの構築
 ・適正な成績評価基準に基づく厳格な成績評価(ミニマム・リクワイアメントの適正な設定)
 ・各種能力のアセスメント・ポリシー策定
 ・各種学生アンケートの統合的活用促進と、学生自身による自己点検・評価体制の強化
 ・IR分析と教育改善
●学修成果を社会に提示する手法の開発
 ・独自の『ディプロマ・サプリメント・システム』の開発
 ・「ディプロマ・サプリメント」による的確な可視化と情報発信
●外部人材との協働による助言・評価の仕組み構築
 ・企業、自治体、教育委員会関係者で構成する「実行力評価委員会」の設置
 ・企業満足度調査、卒業生調査、在校生アンケートの有機的実施

【概要】

具体的な実施計画における指標 2016年度
(起点)
2017年度
(実績)
2019年度
(目標)
学生の成績評価[卒業時累計GP(平均)] 330 337 360
学生の授業外学修時間[時間数1週間当たり(時間)] 30.0時間 23.3時間 48.0時間
進路決定の割合[%(就職決定者数+進学者数)/卒業者数] 96.0% 97.3% 97.0%
事業計画に参画する教員の割合[%(参画教員数/在籍教員数)] 70.0% 95.1% 100.0%
質保証に関するFD・SDの参加率[%(調査回答者数/卒業者数)] 70.0% 90.7% 100.0%
卒業生追跡調査の実施率[%(調査回答者数/卒業者数)] 0.0% 10.7% 15.0%
DSシステムを用いた修学指導の割合 50.0% 51.8% 80.0%
ディプロマ・ポリシー達成度の把握率 60.0% 97.7% 100.0%
各授業のミニマム・リクワイアメントの達成率 60.0% 100.0% 100.0%
アセスメント・テストによる汎用的能力等の到達度把握率 55.0% 89.3% 95.0%