大学教育再生プログラム(AP) テーマⅠⅡ複合型

APの基本的情報

  • TOP > 
  • 選定校の一覧 > 
  • 東京薬科大学
       卒業時における質保証の視覚化と卒業後における大学教育の効用

東京薬科大学
   卒業時における質保証の視覚化と卒業後における大学教育の効用

テーマⅤ「卒業時における質保証の取組の強化」

事業期間:2016年度~2019年度

【取組の概要】

 ①卒業生調査等を踏まえ、薬学・生命科学部に最適化した卒業コンピテンス・コンピテンシーを導入することによるディプロマ・ポリシーと科目との連携、およびそれに基づくアウトカムを重視した教育と評価、②その利用方法や教育の質向上を目的とした研修(FD・SD)の実施、③教育と成績評価に係る教員評価の導入、④卒業論文研究を活用したディプロマ・サプリメントの作成を中心とし、三つの方針と連動するものである。また、同時に、卒業生調査の結果については、ホームページや成果報告会等で積極的に情報を発信する。加え、ステークホルダーによる外部評価体制を構築し、本補助事業のPDCAサイクルを実質化する。以上の取組は、これまでの本学の教学改革に加え、薬学・生命科学分野の人材育成において、新たな教学モデルを全国に先駆けて実施するものである。

【取組のポイント】

➢卒業コンピテンス・コンピテンシーの導入とそれに基づいた体系的な教育プログラムの実施
➢大規模卒業生調査に基づく学修成果のアセスメント
➢成績評価に係る教員評価の導入
➢成績評価に係るFD・キャリア形成に資するSDワークショップの実施
➢卒業論文研究へのルーブリック評価の導入とそれを活用したディプロマ・サプリメントの発行

【キーワード】
「卒業コンピテンス・コンピテンシー」、 「卒業生調査」 、 「卒業論文研究ルーブリック」、「ディプロマ・サプリメント」

【人材育成目標】

 東京薬科大学は、建学の精神を「花咲け、薬学・生命科学」として、また、大学の理念を「ヒューマニズムの精神に基づいて、視野の広い、心豊かな人材を育成し、薬学並びに生命科学の領域における教育と研究を通じて、人類の福祉と世界の平和に貢献することを目的とする。」と掲げている。
 建学の精神・大学の理念に基づき、薬学部は、130年以上の歴史の中で、約35,000人の薬剤師を社会に送り出した実績があり、わが国最大規模を誇る薬学部として、毎年多くの薬剤師を輩出している。生命科学部は、1994年に設置された日本初の生命科学部として生命科学分野の高等教育における教育モデルを常に示し、教育研究をリードしてきた。また、本学では、2007年に教育の「基本方針」と「学生の学ぶ権利に関する宣言」を策定し、学生第一主義のもと、大学の理念を具現化している。

【教育上の課題】

 卒業論文研究は、日本の理系教育の特徴であり、学部教育の最後に配置され、社会において活躍するための知識・技能・態度を育む、重要な教育プログラムである。一方、外部・内部から、卒業論文研究の評価方法が不十分であるとの意見があった。このことから、卒業コンピテンス・コンピテンシーに基づき教育プログラムを体系化した上で、その仕上げともいうべき卒業論文研究の評価方法を開発すると共に、その効用を明らかにする必要があった。
 また、これまで、アセスメントテストとなる、卒業試験を設けている薬学部を中心として、学修成果のPDCAサイクルは機能していた。しかし、卒業生のキャリアパスの実態を正確に掴んでいたわけではなく、また、卒業後に求められる能力を、在学時にどの程度身につけることが出来たのかを、把握できていなかった。

【これまでの取組、実績・成果】

<取組1>
 薬学部卒業コンピテンス・コンピテンシーと各教科との接続の確認作業を全ての科目を対象として実施し、教授会等での議論の上で、卒業コンピテンス・コンピテンシーを導入した。(生命科学部においては、新カリキュラムと卒業コンピテンス・コンピテンシーの導入を検討中)
<取組2>
 2017年度に大規模卒業生調査を実施し、5,083人(回収率28.6%)からの回答があった。本調査は本学での学生生活が、入学前の学修習慣からどのような影響を受け、卒業生にとっての現在のキャリアや暮らし、さらには現在の知識や能力の水準に対してどのような影響を及ぼしているのかを明らかにするために設計され、これまで本学が教育機関として果たしてきた役割を評価するとともに、未来に向けた教育・研究の礎となる情報を集成し、本学教育の質保証に資することを目的としている。なお、調査結果については、特命教職員が中心となり分析を行っているが、補助期間終了後も、調査・分析を継続的に実施できる人材を育成するために、教職合同のSDを実施している。また、分析結果に関して学会発表を積極的に行った。
<取組3>
 卒業論文研究のルーブリック表を策定し、ルーブリック評価を導入した。また、卒業論文研究の評価をディプロマ・サプリメントとして発行できるよう、電子ポートフォリオシステムの開発を行っている。

<実績・成果>
●学修成果のアセスメント
 卒業生調査により学修成果の獲得実感を評価。6年制薬学教育導入の結果、薬剤師職については従来以上に社会ニーズに即した教育が提供されている可能性が示された。
●外国語学修プログラムの新規開設と多読プログラムの開始
 卒業生調査により教育プログラムの課題が浮き彫りになった。特に外国語学習の役立ち度が低い可能性が示されたことから、新たに外国語学修プログラムと多読プログラムを導入した。

【今後の取組の計画】

●2017年度に実施した卒業生調査及び各種調査の分析推進とステークホルダーへのフィードバック
●卒業生調査とアセスメントテスト(PROG)結果の比較・検討
●卒業論文研究へのルーブリック評価実施及び電子ポートフォリオシステムを利用したディプロマ・サプリメントの作成と発行
●学内外における積極的な情報発信
●教職合同による専門職(IRer等)育成のための継続的なSD活動

【本取組における成果と社会へのインパクト】

●本学が実施した卒業生調査は、日本の私立大学が実施したものとしては最大規模である。その調査・分析のフレームワークは、日本の高等教育機関における一つの先進的な事例になり、また、薬学・生命科学領域における大学教育への投資効果やその効用を明らかにすることはステークホルダーに対しての説明責任を果たすことになる。
●理系の卒業論文研究は、専門知識の深い理解のみならず、教養的知識から社会的スキルまで、幅の広い複合的な効用をもたらしている。最終学年の集大成である卒業論文研究の達成状況を可視化し、社会へ提示することは、質保証に資するものである。
●卒業コンピテンス・コンピテンシー、卒業論文研究のルーブリック評価とそのフィードバック手法は、理系教育の学修成果を体系化・視覚化する取組であり、他大学等への波及が見込まれる取組である

【本取組の質を保証する仕組み】

 AP運営委員会及び実行委員会にて内部評価を行った上で、事業年度毎に、大学教育に関連する多様なステークホルダー(有識者、企業、自治体、高等学校教諭、OB・OG)で構成された外部評価委員会により評価を実施し、事業改善等を行っている。

【概要】

具体的な実施計画における指標 2016年度
(起点)
2017年度
(実績)
2019年度
(目標)
卒業生追跡調査の実施率(年度別卒業生) 95.6% 97.3% 99.0%
卒業論文研究のルーブリック評価実施率 7.6% 25.1% 100.0%
進路決定の割合 99.5% 99.5% 99.0%
事業計画に参画する教員の割合 12.1% 16.3% 25.0%
質保証に関するFD・SDの参加率 87.9% 87.5% 90.0%