大学教育再生プログラム(AP) テーマⅠⅡ複合型

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     主体的に学ぶ/未来志向性に優れた/グローバル社会で生き抜く 学生の育成:
     クォーター制を活用した多様な学外学修プログラムの展開

宇部工業高等専門学校
 主体的に学ぶ/未来志向性に優れた/グローバル社会で生き抜く 学生の育成:
 クォーター制を活用した多様な学外学修プログラムの展開

テーマⅣ「長期学外学修プログラム(ギャップイヤー)」

事業期間:2015年度~2019年度

【取組の概要】

 産業のグローバル化や知識基盤社会の到来に対して、グローバルな視点やコミュニケーション力、リーダーシップ力を育成するため、主体的な学びを促す機会として学外学修プログラムの拡充を目指す。クォーター制導入により学事暦の柔軟化を図り、第2クォーターと夏季休暇を組み合わせたギャップタームを創出し、海外研修やインターンシップといった国内外での1か月以上にわたる学外学修への参加を促す。同時にクォーター制を活用した教育改革を進め、コンピテンシー向上を企図したカリキュラム改定を行う。また、長期学外学修の事前学習として年間を通した地域課題解決型地域教育を展開し、エンジニアリングデザイン能力醸成とともに、社会の抱える課題を自分事として認識し、自らが獲得した知識・技術と社会との接点や他国・他地域での解決方法との比較により視野の拡大を図る。

【取組のポイント】

➢クォーター制の導入による学事暦改革とコンピテンシー向上を企図した教育改革
➢多様な長期学外学修プログラムの展開による主体性・未来志向性・グローバル化対応能力の伸張
➢地域課題解決型地域教育の展開によるジェネリックスキル向上とSDGsへのアプローチ

【キーワード】
「学事暦改革(クォーター制)」、「国際交流」、「長期インターンシップ」、「地域課題解決型地域教育」、「教育改革」

【人材育成目標】

 宇部工業高等専門学校では「あらゆる社会活動を営む上で人間及び社会人としての倫理が全てに優先する」を基本とし、「温かい人間性と豊かな国際性を備え、創造的目標に対して常に向上心をもって、果敢に粘り強く努力を傾注できる人材育成」を教育理念としている。これを “Be human, be tough and be challenge-seeking.” という言葉で表している。

【教育上の課題】

 知識基盤社会の到来、Society5.0への進化、SDGsの教育・産業への導入といった社会の変化に対応すべく、「蓄えた知識・技術を評価する教育」から「学生が主体的に学ぶ教育」への質の転換は必須である。さらに産業のグローバル化に対応可能であり、自らキャリアデザインを実質化できる実践的中核技術者の養成が要求される。これらの転換を教育課程内で実現すべく、高専の強みである早期からの専門教育を維持しつつ、初年次教育における学修への意識づけ、分野横断的能力と汎用的能力を身につける学習機会の提供といった教育の拡充が要求される。以上の課題を解決するため、学事暦の柔軟化を図り、海外研修やインターンシップ等の長期学外学修への参加を促すことで、社会や世界に横たわる課題を認識し、他分野・他地域のエンジニアと協働しつつ課題解決を図るコンピテンシー向上を実現できる教育改革が必要であった。

【これまでの取組、実績・成果】

<取組> 
 大学教育再生加速に資するため、以下の4点を実現した。第一に、 2017年度からの全学的なクォーター制導入により、短期間での集中的な学習による知識定着率の向上とともに、学事暦設計の柔軟化に伴う海外研修や長期インターンシップ等の学外学修への参加を促進できる体制を整備した。第二に長期学外学修の実質化に向けて、海外研修プログラムの開拓・再構築、長期インターンシップ受入機関の開拓ならびにこれらのプログラムへの参加者増へ向けた事前教育・事後教育の充実を図った。第三に地域課題解決を指向する地域教育を新たに展開し、エンジニアリングデザイン能力の醸成とともに、地域課題を自分事として認識し、自らが獲得した知識・技術と社会との接点に気付かせる機会を創出できた。第四に上記のプログラム群を正課科目として取り込むとともに、学科学年横断型プロジェクト学習等、協働性を高める科目群を設定するカリキュラム改定を行った。
 上記の取組の結果、長期学外学修への参加が促進され、2018年度は長期海外研修参加者数が71名(全学生の6.4%)、長期インターンシップ参加者数が44名(対象学生の18.6%)となった。また、2017年度の地域課題解決型地域教育参加学生(23名)を対象としたジェネリックスキル測定の結果、協働的思考と創造的思考においてスコアの上昇が観察された。これらの取組・成果に関して、産業界との共催シンポジウム、テーマⅣ採択校合同シンポジウムや全国高専フォーラム等にて成果報告を行い、本校の取組成果を公表した。また、本校AP事業ウェブサイト(http://www2.ube-k.ac.jp/ap4/)にて取組内容を広く社会へ発信している。

<実績・成果>
・クォーター制導入による長期学外学修の体制整備
・長期学外学修プログラムの開発と実質化
・地域課題解決型地域教育の展開とジェネリックスキル向上
・クォーター制を活用した教育改革の実施

【今後の取組の計画】

<取組の計画>
 クォーター制の導入に伴って生じた教員の負担感に対して、複数クラス同時講義実施や日常の学習活動の成績評価への反映等、教務面での制度改定および教員の意識改革を進めていく。
 海外研修に関して、従来の特任教職員等の個人の力量に頼る仕組みから組織的システムへと転換すべく、リスクマネジメントおよびクライシスマネジメントを実現できるよう、FDを積み重ねていく。長期インターンシップに関して、事前指導役を長期インターンシップ経験者が担う仕組み、常勤教員を対象としたキャリアアドバイザ養成、企業側の負担軽減を目的とした実習モデルプログラム構築を進める。
 さらに、長期学外学修参加による学生の成長を評価する手法として、パフォーマンス評価を含めたルーブリック評価を長期インターンシップおよび地域課題解決型地域教育へ拡大する。

【本取組における成果と社会へのインパクト】

●理工系大学・高専におけるカリキュラムと長期学外学修実施モデルの整合による専門性を備えたグローバル人材の育成
●学外学修の長期化による分野横断的能力の実質化とSociety5.0時代を生き抜ける高専卒業生・修了生の輩出
●学生・教職員双方の意識転換を促進する教育改革によるコンピテンシー向上

【本取組の質を保証する仕組み】

 本取組は校長、主事、留学交流室長、キャリア支援室長、事務部長等の教職員により構成される長期学外学修プログラム推進室を中心とした全学支援体制のもと、学術交流協定校、地元企業、NPO等の学外機関と協働して学外学修プログラムを計画・実施している。また、年度ごとに整理している事業報告書を質的・量的両面の客観的なエビデンスとして蓄積し、評価・改善に活用する体制を整備している。
 本取組の評価にあたり、前記の長期学外学修プログラム推進室による定期的な取組点検体制に併せて、外部有識者を委員とする運営諮問会議およびAP外部評価委員会による改善・点検体制を敷いている。
 特にAP外部評価委員会は毎年度開催され、本取組の進捗状況報告、評価指標の達成状況の評価を受けるとともに、本取組の柱である長期インターンシップ、海外研修、地域課題解決型地域教育が抱える課題について意見を求め、取組内容や取組方法の改善を図ることにより、次年度以降の教育効果の向上に資することを目的としている。
 本取組では学外との協働による学外学修プログラム開発を指向しており、他大学の先進的な取組事例調査や企業・自治体の観点から意見聴取を進め、プログラムの設計開発・評価改善を図る必要がある。そのような観点から、運営諮問会議およびAP外部評価委員会委員では高等教育の専門家、宇部市長、地元産業界、宇部市中学校長会会長、NPO代表といった多様なメンバーを委員として委嘱し、本AP事業から教育改革に至るまで複眼的視点から外部評価を実施した。2018年度は、本取組から派生した短期留学生受入プログラムである「KOSEN4.0イニシアティブ『UBE方式』」との共催による外部評価委員会開催を計画している。さらに、本事業最終年度となる2019年度に産業界との共催シンポジウムならびに外部評価委員会を開催し、本取組の総括を行うことを計画している。

【概要】

具体的な実施計画における指標 2015年度
(起点)
2017年度
(実績)
2019年度
(目標)
長期学外学修プログラムに参加する学生の割合
(長期インターンシップ) 
71.8% 12.7% 55%
長期学外学修プログラムに参加する学生の割合(海外体験プログラム) 6.5% 6.5% 9.6%
学生の授業外学修時間 N/A N/A 12時間
学生が企画する活動数(長期インターンシップ) N/A 19件 20件
学生が企画する活動数(海外体験プログラム) 11件 38件 10件

  ※①1~2週間の短期インターンシップに参加した学生の割合 ※②2週間以上の海外体験プログラムに参加した学生の割合