大学教育再生プログラム(AP) テーマⅠⅡ複合型

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       グローバル科学技術人材養成プログラム (IGS:Introduction to Global Science)

東京農工大学
   グローバル科学技術人材養成プログラム (IGS:Introduction to Global Science)

テーマ「高大連携」

事業期間:2014年度~2019年度

【取組の概要】

 将来、グローバルに活躍する研究者・科学技術者を目指す高校生を育成するために、高校と大学が協力して、高等学校教育・入学前教育・初年次教育・学部教育・大学院教育の12年を通したルーブリックを策定し、それに合わせた科学技術者入門プログラムを実施する取組である。提供するプログラムでは、「科学全般の素養」、「論理的思考力、判断力、表現力」、「グローバルな視野、外国語力」の養成を目的とし、現行の大学入学者選抜により分断されている高大接続をスムーズに移行できるものに改革する。入学前教育では大学の単位取得も可能にし、早期修了制度等の利用を促進する。またプログラム参加者の高校卒業時点の幅広い資質・能力を、ポートフォリオを活用して評価するしくみを開発し、高校生が特別入試(AO・推薦)の応募資料に用い、大学が多面的評価を行う入試改革にも取り組む。

【取組のポイント】

➢「グローバル科学技術人材」養成評価基準書(ルーブリック)の開発
➢高大連携教室(IGSプログラム)の開催
➢大学初年次教育「キャリア教育科目」の開講
➢学習履歴(ポートフォリオ)システムの運用
➢高大連絡協議会の開催

【キーワード】
「高大接続」、「科学技術人材育成」、「ルーブリック」、「ポートフォリオ」

【人材育成目標】

●科学全般に対する興味、関心、課題意識を持続的に持つ
●主体的に行動し、他者と協働して課題解決にあたる
●グローバルな視野、外国語力を持っている

【教育上の課題】

 高校の理科の授業では、実験や実習の時間が十分に確保できていない現状がある。生徒が興味・関心を抱いた事象に対して仮説を立て、実際に試行し、結果を論理的に思考する時間が足りず、実験・観察を通して理解されるべき科学的リテラシーも身につかないまま入学してくる学生が多くなっている。また、高校の学習事項が土台となって、大学の専門的な研究や実社会の課題解決にどのように結びつくのかが想像できない学生も目立つ。大学・大学院で自主的に科学的課題研究に取り組み、社会に出てからも自立した研究者・技術者として活躍できる人材を育成したい。

【これまでの取組、実績・成果】

<取組1> 
「グローバル科学技術人材養成評価基準書(ルーブリック)と学習活動の記録(ポートフォリオ)システムの開発」
 高校段階から大学、大学院まで12年間連続の養成過程を対象とした「理系グローバル人材の評価指標」の評価基準表を設計した。高校、大学の学習活動を段階的に計画、実行、評価が可能な指標を明文化し、具体的な行動基準に可視化した。高校、大学教員が協働して策定にあたり、養成する人材の要件を共有することから始め、普段の科学的な活動を記録するシステム(ポートフォリオ)を用意し、評価基準に照らし、能力の獲得状況を本人、高校・大学の指導者が継続的に利用、発達段階に応じて目標とする状況が確認できる仕組みを構築した。
<取組2> 
「科学技術者入門プログラム(IGS: Introduction to Global Science)
(高大連携教室)の開講」
 優れた資質を持つ高校生が科学に対する興味・関心を拡げ、将来、グローバルに活躍する人材を目指す“入口”となるプログラムを開発し、高校2年生を対象に毎年夏、冬、春の3回開講した。
 各回では地球全体の課題である「食料問題」、「エネルギー問題」、「環境問題」などを科学的に解決する方法についてグループでディスカッションし、プレゼンテーションを行うワークショップ、大学初年次レベルの科学実験、英語学習の意義を明確にする講義、多文化理解を目的とする留学生との交流などのコンテンツを実施した。
<取組3> 
「大学初年次教育『「理系学生」のためのキャリアプランニング入門』の開講」
 研究者・科学技術者を目指して入学した学生が、大学でもモチベーションを持続させ、より具体的な進路に向けた活動をイメージできるよう、キャリア意識の醸成、論理的思考力、表現力の育成を目的とした科目を開講した。

【今後の取組の計画】

 大学入試改革が進む中で、AO・推薦入試を中心に、高校生の能力を多面的に評価する手法が注目されている。東京農工大学のような理系単科大学の選考において、その指標の参考となるのが「グローバル科学技術人材」養成評価基準書(ルーブリック)である。また高校生が普段の活動を記録する際に活用できるのが「学習履歴(ポートフォリオ)システム」である。その仕組みを本事業で開発することができた。
 また、「高大連携教室」の参加者で東京農工大に入学した学生からは「自分が学びたいことに合った学科を見つけることができた」、「なんとなく決めていた学部、学科をもう一度考え直し、広い視野で見れるようになった」と大学、志望学部、学科のマッチングという意味でも大きな役割を果たしたことがわかる。
 高校生が、グローバルに活躍する研究者・科学技術者への進路を目指す際に、「高大連携教室」がそのモチベーションを維持するための一助となっている。
 大学入学後にはキャリア意識醸成科目を受講することで、自分の選択した専門分野と社会の関係性を理解し、科学的活動が担う意義を再認識している。
 このような成果を活かし、各プロセスの成果の因果関係を明らかにし、高校~大学~大学院の一貫した教育プログラムの確立を目指す。特に特別入試(AO・推薦)において、これまでの実践が適用できるように検討を行っていく。

【本取組における成果と社会へのインパクト】

●グローバルに活躍する研究者・科学技術者の育成
●高校~大学~大学院の一貫した理系教育プログラム
●多面的評価を可能にするルーブリック、ポートフォリオシステム

【本取組の質を保証する仕組み】

 「高大連携教室」に参加する高校生が、ルーブリックの評価項目を指標に、活動をポートフォリオに記録していくしくみが実現できた。それぞれの項目に対して身についた内容、十分ではなかった内容を整理していくことで、獲得した能力、これから獲得すべき能力の自己評価が可視化できる。
 また「高大連携教室」の参加前、参加後、大学入学後の追跡のアンケートを実施している。高校時点で興味・関心を広げ、身につけた論理性などの能力が、大学入学後にどのようにいかせているかを振り返り、再認識する機会になっている。
 上記の内容、分析結果について「高大連携協議会」「外部評価委員会」で詳細に報告するとともに、高校教員、外部有識者からの意見を受け、再度、IGSプログラムの実践にフィードバック、改善を実施していくサイクルを継続していく。

【概要】

具体的な実施計画における指標 2014年度
(起点)
2017年度
(実績)
2019年度
(目標)
①高大連携教室受講者(高2生) 31人 110人 120人
②高大連携教室受講生の東京農工大入学者 14人 15人
③理系キャリア意識醸成科目の受講者 101人 100人