大学教育再生プログラム(AP) テーマⅠⅡ複合型

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       国際バカロレア入試の普及と教育改革への活用

岡山大学
   国際バカロレア入試の普及と教育改革への活用

テーマⅢ「入試改革」

事業期間:2014年度~2019年度

【取組の概要】

 国際バカロレア(IB: International Baccalaureate)は、これからの世界を担う若者を育むプログラムとして国際的に高い評価を得ており、その教育目標と内容は、現在、我が国が取り組んでいる教育改革(高大接続改革)の方向性とよく一致する。また、高校生を対象にしたコース(ディプロマ・プログラム)は、大学での学びに必要な学習能力や姿勢などを育む教育として世界の大学が認め、その修了生を積極的に受け入れている。本プログラムは、国内における国際バカロレア教育への理解を深めるとともに、国際バカロレア修了生を受け入れる大学入試の導入を啓発することを目的としている。この入試の拡大は、大学入学資格を多面的・総合的に評価する選抜制度への改革を推進し、さらには、高校教育改革の推進にも寄与することが期待される。

【取組のポイント】

➢国内外の国際バカロレア校を対象に、ディプロマ・プログラム修了生の大学受け入れについて広報する。
➢教育関係者や高校生とその保護者などを対象にシンポジウムなどを開催し、国際バカロレア教育の理解と普及を進める。
➢ディプロマ・プログラムの教科内容や教育方法について調査し、日本の大学教育へのスムースな受け入れ実現に貢献する。
➢国際的な視野、多面的な思考力などを養成する、国際バカロレア教育の根幹である「知の理論」についての研究とその活用を進める。

【キーワード】
「国際バカロレア」、「ディプロマ・プログラム」、「書類審査での入試判定」、「知識偏重型から課題解決型入試へ」、「IB認定校を200校以上へ」、「知の理論」

【人材育成目標】

 ディプロマ修了生の受け入れと学内における交流によって、以下の能力を備えた人材の育成を進める。
●国際的な視野やコミュニケーション能力に秀でている。
●多面的、論理的思考力に秀でている。
●自ら考える力を持ち、自律的、主体的に行動できる。
●リーダーシップを発揮し、他者と協働して課題解決にあたる。

【教育上の課題】

 筆記試験を主な判定基準とする入試では、多面的な思考力、多様な文化や価値観などへの理解、他者との協働性やコミュニケーション能力などについて十分に評価できない。このため、単純な解の存在しない課題を多面的にとらえて論理的に思考し、さらに、様々な価値観の他者と協働して解決にあたる知識や能力は大学での教育の中で育むことが必要となる場合が多い。一方、国際バカロレアは、国際的な視野やコミュニケーション能力、自律性、多面的な思考力などを育む教育を実施している。その修了者を大学に積極的に受け入れることで、授業改善や学生のグループ活動などを通して、目標とする上記のような人材の育成に取り組む。

【これまでの取組、実績・成果】

<取組1>
国内外国際バカロレア校の訪問調査
 2014~2017年度の期間に、海外は18か国88校、国内は29校の国際バカロレア校を訪問して広報と調査を行い、国際バカロレア修了生を受け入れる日本の大学の特別な入試制度などを周知し、また、ディプロマ・プログラムの教育内容などについて必要な情報を得た。
<取組2>
国際バカロレア教育の理解と普及を進めるためのシンポジウム
1)国際バカロレア教育と大学教育の接続 2014年10月30日
2)国際バカロレアの「学びの評価」と高校・大学教育改革への活用 
   2015年12月14日
3)国際バカロレアが示唆する新しい高校教育・大学入試 
   2016年10月11日
4)国際バカロレア修了生の国内大学進学と今後の展望について
   2017年9月21日
5)国際バカロレアシンポジウム「教育に枠はない -IB for everyone」 
   2018年9月7日
<取組3>
国際バカロレア教育の理解と普及を進めるための勉強会
1)国際バカロレア・ディプロマ・プログラム修了生による座談会
   2016年3月4日
2)国際バカロレアと既存の教育との整合性-IB教育は脅威ではない
   2016年7月11日
3)国際バカロレアをめぐる高大接続 2017年2月22日 
4)IB student Talk @ L-café 2018年1月25日
5)国際バカロレア校教員がお答えします!―初歩から実践まで―質疑応答セッション
   2018年7月4日
<取組4>
国際バカロレア「知の理論」ワークショップ
1)「知の理論」ミニセミナー 大学附属図書館 2015年2月
2)ワークショップ「知の理論」をひもとく
  ・岡山大学 2017年5月27日、2018年3月3日
  ・千代田女学園 2017年6月17日
  ・武蔵野大学 2017年9月1日
  ・大阪女学院 2017年10月9日
3)ワークショップ「低所得世帯の学生にTOKを教えることの意味」 
    L-café 2018年9月9日

【今後の取組の計画】

 国内外の国際バカロレア校の訪問調査により作り上げた連絡網を発展させ、恒常的に情報発信や交換を行う体制の構築を進める。特に、国際バカロレア生の志願や受け入れなどについての情報交換を進め、修了生受け入れの拡大を進める。これにより、多面的・総合的に評価する入試制度の発展と国際バカロレア修了生と他の入試で入学した学生との相互交流を進めることで、大学における人材育成目標の達成をめざす。
 知識が構築されるプロセスを多角的に捉えることにより、探求や考察の能力とスキルを習得し、さらに知識を概念化する力を養う「知の理論」の教育は、高大接続改革がめざす「主体的・対話的で深い学び」の実現に大きく貢献するものである。「知の理論」については、入門書の翻訳と大学教育用にワークブックの出版を行い(右の囲い)、教養教育での授業を行うとともに、高校や大学の教員を対象にワークショップを実施してきている。今後は、教科科目のなかでの活用を目指して、具体的な教育方法の開発を進めていく。

【本取組における成果と社会へのインパクト】

●国際バカロレア教育や入試制度についての理解のひろまり
●国際バカロレア入試実施大学の増加
●ディプロマ修了者の進学を促す条件の明確化
●国際バカロレア修了生の志願者数の増加
   岡山大学志願者:2014年8名、2016年17名、2018年36名
●「知の理論」についての理解と実践のひろまり

【本取組の質を保証する仕組み】

 国際バカロレア校との連絡網と情報交換については、国際バカロレアの導入・運営に対する効果的な支援を目的に本年度設置された「文部科学省IB教育推進コンソーシアム」のAirCampusを活用する。
 「知の理論」の教育については、Facebookのサイト(Unpacking TOK)を活用して、情報発信するとともに、ワークショップ参加者間での意見交換の場を設営している。また、大学の教養教育での授業を引き続き推進する。

(翻訳)知の理論 スキルと実践 日本語訳付き版 日本語 OXFORD
     UNIVERSITY PRESS 2015年12月 ISBN:9780193955998
(出版)「知の理論」をひもとく UNPACKING TOK 第2版 ふくろう出版
     2018年2月14日 ISBN:9784861867026

【概要】

具体的な実施計画における指標 2014年度
(起点)
2017年度
(実績)
2019年度
(目標)
多様な評価尺度による入学者選抜を経た募集人員の割合 20.2% 23.0% 30.0%
入学者選抜に従事する役割分担別教職員の割合【選抜方法の検討】 23.5% 20.8% 35.0%
入学者選抜に従事する役割分担別教職員の割合【選抜の実施】教員 5.0% 11.6% 11.9%
入学者選抜に従事する役割分担別教職員の割合【選抜の実施】職員 20.0% 24.2% 21.2%
入学者選抜に従事する役割分担別教職員の割合【合否判定】 23.5% 25.0% 35.0%
入学者選抜に従事する役割分担別教職員の割合【入試担当職員】 37.5% 33.3% 27.8%
入学者選抜に従事する役割分担別教職員の割合【入試方法評価・分析】 100% 100% 100%
アドミッションオフィサー数 1人 1人 2人