大学教育再生プログラム(AP) テーマⅠⅡ複合型

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       アクティブ・ラーニングと学修成果可視化システムの取組

創価大学
   アクティブ・ラーニングと学修成果可視化システムの取組

テーマⅠ・Ⅱ複合型

事業期間:2014年度~2019年度

【取組の概要】

 本取組は、良質なアクティブ・ラーニング(以下、AL) を行う科目数の増加を通して、授業外学修時間の増加と理解度の向上を図る。また、ALによって期待される学修成果の可視化を様々な評価指標の開発を通じて加速させ、評価の文化を醸成する。同時に、教員は教員相互の授業の振り返りから学生の成長のための授業を自覚し、学生は学生相互による振り返りを通し、自らの学びに責任を持つことを目指す。そこで、AL手法の導入を行いつつ、学年進行に応じた学修成果測定を主な機能とする3段階のアセスメント科目(アセスメント・ゲート)を用意し、教える側と学ぶ側、双方がその科目の目標達成にどの程度貢献できたのかを点検する体制を整えてきた。
 さらに、2016年度からは3つのポリシー(ディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、アドミッション・ポリシー)を踏まえつつ、入学から卒業後までの質保証の伴った大学教育を実現する、との視点で取組を推進している。

【取組のポイント】

➢入学前プログラム運用を含む、初年次教育推進室の開設
➢AL型授業推進のための授業設計研修の実施
➢学生の学修成果を点検するアセスメント科目の設置
➢学生の学修成果をカリキュラム改善につなぐ同僚会議の開催
➢卒業生 ・就職先調査の実施とその結果に基づいたチェックリスト等の開発

【キーワード】
「良質なAL」、「3段階のアセスメント科目(アセスメント・ゲート)」、「初年次教育」

【人材育成目標】

 本取組では、教員は教員相互の授業の振り返りから学生の成長のための授業を自覚し、学生は学生相互による振り返りを通し、自らの学びに責任を持つ。切磋琢磨しあって能動的に学び、人間的に成長する学び舎の構築こそ、本学が掲げる『人間教育の世界的拠点』形成に不可欠な改革であり、本取組をそうした改革推進の大きな契機と位置づけている。

【教育上の課題】

 本学ではすでに多くの授業で能動的な学習の機会を提供している。しかしながら、能動的な学習の機会に恵まれ、授業内容を一定程度理解したと学生が認識した科目の6割で週1時間以上の授業外学修を未だ達成していない(2014年当時)。能動的な学習の機会の量的拡大だけでは、授業外学修時間の増加促進は保証されない。むしろAL導入科目の質的改善が本学の課題であり、学生と教員の双方が科目やカリキュラムの到達目標を意識し、その達成に十分な学習量を自覚して勉学に励む仕組みを構築する必要がある。

【これまでの取組、実績・成果】

<取組> 
 多様なAL手法を導入・活用しつつ、学年進行に応じた学修成果測定を行うアセスメント科目を用意し、教える側と学ぶ側、双方がその科目やプログラムの目標達成にどの程度貢献できたのかを点検する体制を整える。
 年次進行で取り組む学部を漸進的に増やし、2017年度には理工学部と国際教養学部に学部推進チームを結成したことで、全8学部でAPの取組を進める体制が整った。授業時の振り返り活動を含む良質なALの促進に向け、授業設計研修を継続して実施し、全学で85.3%の教員が参加した。また、学修成果の可視化については、上記2学部がアセスメント科目の検討を行ったことで、2018年度から全学部でアセスメント科目を実施するための基盤を作ることができた。
○事例
「化学工学(2単位)」
 工学系専門科目において従来の一方的な講義形式で復習が中心となってしまう授業形態から、予習・復習用の学習シートを配布
→授業冒頭に前回の内容についての小テスト→グループに分けて、各自で前回の内容の復習→授業中のグループディスカッションや実験の増加などALを積極的に授業に取り入れた。その結果、予習・復習の定着やそれに伴う学習時間の増加、数式などの理解度の向上、また授業中の学生の雰囲気が良くなるなど、多くの改善が得られた。

<実績・成果>
 授業設計研修等の参加教員の増加とともに、 AL科目に関する授業外学修時間も増え、2017年度時点では1週間あたり3.8時間となっている。
 高大接続システム改革の成果を確かにするため、2016年度、初年次教育推進室を設置した。この推進室が、2017年度にはAPの取組の一環として、入学前準備プログラムを見直し、本学のALを紹介するガイダンス教材を組み入れた内容に刷新した。さらに、アドミッションズセンターと協力して、杏林大学との連携という形で、2018年度からアドバンスト・プレースメント(高校時代に大学の科目を履修し、その単位を入学後に認定する制度)を開始した。

【今後の取組の計画】

<取組の計画>
 学修成果の達成具合を自己点検・自己評価する学生の振り返りをカリキュラム改善に活かす枠組みの維持・拡充を進める。具体的には各学部の推進チームを中心に次の3点に取り組む。
①アセスメント科目の趣旨徹底と円滑な運営を行う。
②振り返り活動を組み入れた授業づくりを推進する。
③学部カリキュラム評価に向けてアセスメント結果を活用する。
 
 また、次年度でAP事業期間が終了することを念頭に、取組の継続的発展を期して全学レベルでは次の3点に取り組む。
①大学が以前から運用する学習支援システムを拡張し、振り返り支援の機能を充実する。
②各学部の推進チームと連携し、ALマスターの養成を引き続き支援する。
③学生の4年間の学びを振り返る、「学びの集大成(学習ポートフォリオ)」作りを奨励する。

【本取組における成果と社会へのインパクト】

●学生の自己評価・相互評価を促す振り返り活動
●学修成果の振り返り活動を組み込んだ授業設計
●学修成果の到達状況点検ルーブリックを用いたカリキュラム評価
●学生の振り返りを教員間で共有する検討会(同僚会議)
●これらの取組成果を毎年度、成果報告会を開催し、発信している。これには延べ200名以上の他大学関係者が参加している。

【本取組の質を保証する仕組み】

 本学では3ポリシー見直しに伴い、アセスメントポリシーに沿って、複数の指標を用いて得られるエビデンスに基づいたPDCAサイクルを運用している。

《PLANの機能》
 各学部長ならびにFD関連部局の中心者で構成され、教学担当副学長を委員長とする全学FD委員会において、各年度のFD事業計画を審議・承認している。これにより、本取組が全学部に亘るものであることが確認され、先導学部の取組状況が他学部に共有される。
《DOの機能》
 取組の遂行にあたっては、教学担当副学長(機構長を兼務)のもと、学士課程教育機構を中心に教育・学習支援センター(以下、CETL)長、総合学習支援センター(SPACe)長、IR担当者などを構成員としたAP推進本部を立ち上げ、大学全体の取組を推進している。また、各学部には推進チームを置き、学部長ならびに学長委嘱のチーム員が申請計画を遂行する。本取組に係る予算は総合学習支援オフィスで一体的に管理し、統括責任者の指示で各取組に配分している。
《CHECKの機能》
 AP推進本部の支援の下、各学部の推進チームは、学年進行に応じた学修成果測定を主な機能とするアセスメント科目を用意し、教える側と学ぶ側、双方がその科目の目標達成にどの程度貢献できたのかを点検する体制を整えている。これらの結果分析はCETLが支援している。また、アセスメント科目担当教員は、リフレクションシートなど学生の成果物から得た情報をもとに、授業ポートフォリオ(簡易版ティーチングポートフォリオ)を作成し、自身の取組を振り返っている。また、複数の学生調査(卒業生調査を含む)を組み合わせ、学士課程プログラム全体を通じた学修成果を定量的に把握している。これらの間接的指標のデータはIR室が分析を行っている。
《ACTの機能》
 AP評価委員会の指導の下、CETLと各学部の推進チームは次年度計画の改善案を策定する。また、アセスメント科目担当者は授業ポートフォリオを活用した同僚会議によって、カリキュラム上の課題を探索し、アクションプランを設定している。

【概要】

具体的な実施計画における指標 2014年度
(起点)
2017年度
(実績)
2019年度
(目標)
良質なAL科目の割合(%) 31.7% 39.3% 60%
今回の事業で行う研修に参加する教員の割合(%) 79% 100% 100%
AL科目を導入した授業科目数の割合 57.8% 77.5% 80.0%
ALを受講する学生の割合 100% 100% 100%
学生1人あたりのAL科目受講数 2.6科目 3.5科目 5.0科目
ALを行う専任教員数 84.2% 100% 100%
学生1人あたりのAL科目に関する授業外学修時間 2.7時間 3.8時間 6.6時間
退学率 1.6% 1.8% 1.6%
授業満足度アンケートを実施している学生の割合 100% 100% 100%
上記アンケートにおける授業満足度 83% 85% 90%