大学教育再生プログラム(AP) テーマⅠⅡ複合型

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     学生自身による学修のPDCAサイクルの確立に向けた取組

東京理科大学
 学生自身による学修のPDCAサイクルの確立に向けた取組

テーマⅠ・Ⅱ複合型

事業期間:2014年度~2019年度

【取組の概要】

 本学が進める教育改革に係る取組の一環として、学生自身が「何を目的として、どのような内容を、どこまで学ぶのか」を主体的に考え、実践することの実現に向け、教育の質保証・向上に向けたサイクルの中に、2つの取組(「学修ポートフォリオシステム」による学修成果の可視化、「授業収録配信システム」によるアクティブ・ラーニングの促進)を組み入れ、これらを連携させることで、「学生自身による学修のPDCAサイクルの確立」を目指している。すなわち、Plan(学生が開講科目全体を見通し、年度の履修計画を立てる)→Do(履修申告した内容にもとづき授業科目を受講する)→Check(「学修ポートフォリオシステム」を使い、自ら学修した内容や成果を確認して振り返る)→Action(振り返りや確認をもとに次の授業計画、履修計画につなげる)というサイクルを構築し、学生の学修をより質を伴うものに変革していくことを目的としている。

【取組のポイント】

➢「学修ポートフォリオシステム(学修ポートフォリオ及びルーブリック)」による学修成果の可視化
➢「授業収録配信システム」による授業内容のデジタルコンテンツ化(予習用コンテンツ、復習用コンテンツ、授業の補助教材用コンテンツ)とアクティブ・ラーニングの促進
➢学生自身による学修のPDCAサイクルの確立

【キーワード】
「学修ポートフォリオ(学生が学びのプロセスや成果物等を継続的に蓄積したもの)」、「ルーブリック(学修評価の基準表)」、「アクティブ・ラーニング」

【人材育成目標】

 「理学の普及を以て国運発展の基礎とする」という建学の精神のもと、137年の歴史を持つ本学は、創立以来、学部学科ごとに必修科目を定め、その単位取得を進級の条件とする「関門制度」を設ける等、「真に実力を身に付けた学生のみを卒業させる」という実力主義の教育を標榜している。
 また、次の知識、能力等をふまえた高い専門性と倫理観、国際的な視野を持った理系人材の養成を目標としている。
1. 自然・人間・社会に係る幅広い教養を修得し、専門分野の枠を超えて横断的にものごとを俯瞰できる能力。
2. 専門分野に応じた基礎学力と、その上に立つ専門知識。
3. 修得した専門知識や教養をもとに、自ら課題を発見し、解決する能力。
4. 修得した専門知識や教養をもとに、論理的・批判的に思考し、積極的な姿勢で判断し、行動する能力。
5. 修得した専門知識や教養をもとに、他者とコミュニケーションをとり、国際的な視野を持って活躍できる能力。
6. 修得した専門知識や教養をもとに、専門分野に応じたキャリアを形成し、自己を管理する能力。

【教育上の課題】

 本学は「東京理科大学の中長期計画」において、文部科学省の各種答申等をふまえた教育方針や教育目標(教育の質保証、教育の次世代化の推進等)を掲げ、様々な教育施策を実施してきており、これにより、学生の学修成果を大学が把握できるようになっている。
 その一方、学生側の視点としての「学生の主体的な学び」をより促すための、「学生自身による学修のPDCAサイクル」を機能させるための仕組み、環境の整備が不足していたため、本事業の取組を推進し、教育方法の見直しと学修成果の可視化及び評価のシステム化を通して、これを実現することを目標としている。

【これまでの取組、実績・成果】

<事例1>「学修ポートフォリオシステム」 
 学生は、所属学科の「ルーブリック」を用いて自己評価を行い、それにより「自己評価レーダーチャート」を作成し、その一方、実際に取得した単位、成績等の状況に応じ、システム上で「客観評価レーダーチャート」が自動算出されることで、両者を比較し、「何を学び、何が身に付き、何が身に付いていないか」等について、視覚的に確認できる点が、本システムの最大の特徴である。
 また、本システムを通じ、半期ごと、年度ごとに自身の学修の進捗を確認することができ、卒業時に、自らが学修した量(単位数)だけではなく、学修の質(身に付いた能力及びその程度等)を明確にできるようになっている。

<事例2>「授業収録配信システム」 
 教室内の授業内容(復習用コンテンツ)の収録や、反転授業用の映像(予習用コンテンツ)の作成等、授業内容をデジタルコンテンツ化し、LETUS(本学独自のLMS)を経由し配信することで、学生は、「いつでも、どこでも、繰り返し、理解できるまで」学修することができる点が、本システムの最大の特徴である。
 また、本システムを通じ、学生のアクティブ・ラーニングを促進し、主体的な学びを促すことができるようになっている。

【今後の取組の計画】

<取組の計画>
 本事業の補助期間終了後の取組の継続性を担保し、さらなる発展を図ること、また、反転授業をはじめとするICT活用教育を推進していく大学の教育方針等をふまえ、具体的事項を検討・実施することを目的に、本学の教育開発センター(教育担当副学長をセンター長とする、各種教育施策(FD活動の啓発及び支援等を含む)を実施する常設組織)の下に、ICT活用教育推進小員会を設置しており、本小委員会が中心となり、現在、本取組の推進のための助言をいただいている学外の有識者及び本学のAP評価委員会委員等と連携し、各種施策について検討している。

(例)
●「学修ポートフォリオシステム」のさらなる入力率向上を目的とした改修、教育改善への活用等
 ・ 新入生の学修目標の意識付けを目的とした入力機能の追加
 ・ 評価レーダーチャートのパターン分析によるカリキュラム検証 
 ・ 学生の振り返りの参考となる学科客観評価平均点の表示 等
●「授業収録配信システム」の現体制(収録業務の外部委託及び事務局によるサポート)と並行した、教員自身による授業コンテンツ作成方法の推進 等
●本取組検証のための学生からの意見聴取の場の設置 等

【本取組における成果と社会へのインパクト】

●「学修ポートフォリオシステム」による学修成果の可視化(学修の到達度の確認と取り組むべき課題を発見することができる。また、「どのような項目を、どこまで行うことができれば、どのような評価を受けるか」という評価指標を理解することができる。)
●「授業収録配信システム」によるアクティブ・ラーニングの促進(学生の主体的な学びを促すとともに、学生の知識の定着に寄与することができる。)
●上記成果をふまえ、他大学等からの見学、教育学術新聞(2721号)への寄稿、中央教育審議会大学分科会将来構想部会(2018年4月17日)における報告、日本経済団体連合会提言(2018年6月19日)への資料提供、月刊経団連(2018年9月号)への寄稿等を通し、他大学等への普及が期待できる。

【本取組の質を保証する仕組み】

●本取組推進のための助言を目的とし、有識者(関西大学森朋子氏)に本学APアドバイザーを依頼している。また、森氏が参画している「アクティブ・ラーニングの効果検証プロジェクト」への協力等を行っている。
●2017年度より、有識者(学外4名、学内1名)を委員とするAP評価委員会を設置し、第三者視点をふまえた検証等を行っている。
●ステークホルダーからの本取組への意見聴取の一環として、毎年度末に開催している本取組の成果発表会において、各システムを利用した学生からの報告の場を設けている。

【概要】

具体的な実施計画における指標 2014年度
(起点)
2017年度
(実績)
2019年度
(目標)
ALを導入した授業科目数 22.3% 31.2% 50.0%
ALのうち、必修科目数の割合 33.8% 35.3% 70.0%
ALを受講する学生の割合 15.8% 25.5% 50.0%
学生1人当たりのAL科目受講数 2.7科目 4.6科目 15.0科目
ALを行う専任教員数 57.0% 66.8% 80.0%
退学率 2.3% 1.7% 1.4%
プレースメントテストの実施率 59.9% 64.6% 85.0%
授業満足度アンケートを実施している学生の割合 71.9% 64.5% 92.0%
授業満足度アンケートにおける授業満足率 78.1% 84.8% 97.0%
学修行動調査の実施率 84.3% 84.1% 100.0%
学修到達度調査の実施率 84.3% 84.1% 100.0%
学生の授業外学修時間 10.1時間 11.0時間 22.5時間
LETUSの利用率(専任教員) 59.2% 84.2% 100.0%
LETUSの利用率(学生) 72.4% 91.9% 100.0%
授業収録配信システム利用数 0授業 660授業 500授業