大学教育再生プログラム(AP) テーマⅠⅡ複合型

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     リベラル・アーツ教育のアセスメント・モデル構築による学修成果の向上と可視化

東京女子大学
 リベラル・アーツ教育のアセスメント・モデル構築による学修成果の向上と可視化

テーマⅡ「学修成果の可視化」

事業期間:2014年度~2019年度

【取組の概要】

 東京女子大学は、キリスト教を基盤としたリベラル・アーツ教育を通して①専門知識、②汎用的能力、③倫理性等の態度・志向を涵養し、「専門性をもつ教養人」を育成してきた。本事業では、本学のリベラル・アーツ教育による学修成果について、直接評価、自己評価、外部評価の3つの指標から多面的にアセスメントを行う。その結果を可視化して、リベラル・アーツ教育のアセスメント・モデルを構築することを目標とする。教養教育にはどのようなアプローチが可能であるか、アセスメント・ポリシーを策定し、具体的な指標の開発・作成を行っていく。学内のみならず卒業生や企業等にも調査を行い、本学の教育への客観的な把握も行う。本学の教養教育プログラムの人材養成の目的の達成度を多面的に測定し、教育改善を恒常的に図る取組である。

【取組のポイント】

➢リベラル・アーツ教育のアセスメント・モデルの構築
➢アセスメント・ポリシーに基づく恒常的な教育改善
➢専門知識だけでなく、汎用的能力、態度・志向の面からも学修成果を測定
➢本学独自の指標の開発・作成
➢社会における本学の教育成果の評価を客観的に把握するため、卒業生、 企業にも調査を実施

【キーワード】
「リベラル・アーツ教育」、「アセスメント・モデルの構築」、「多角的観点からの評価」

【人材育成目標】

 東京女子大学は、広い識見と創造性を有し、「専門性をもつ教養人」として、現代社会の多様な課題を主体的に解決しうる人物の育成を目的としている。その目的達成のため、学生が身につけるべき資質・能力の目標を次の通りディプロマ・ポリシーに定め、建学の精神であるキリスト教精神に基づくリベラル・アーツ教育を行っている。
1. 人間・社会・自然に対する理解を深め、広範で多様な知識を身につけている。
2. 自分の専攻分野に関する方法論と専門知識を身につけ、さらに自分の専攻分野に隣接する分野について基本的な内容を理解している。
3. 知識を活用し、論理的思考力に基づいて、問題を発見し、解決する能力を身につけている。
4. 他者の表現を適切に理解し、自らの考えを論理的に表現し、建設的な議論を行うことができるコミュニケーション能力を身につけている。
5. 異なる考えや意見を受け入れる力を身につけ、多文化共生社会への理解を深め、他者を尊重し協働できる力を身につけている。
6. 主体的に学び続け、自己を確立し、自らのキャリアを構築する姿勢を身につけている。

【教育上の課題】

 教養教育は全人的人格教育であり、その成果を測定する明確な「物差し」は存在しない。本学では従来より、4年間の学びの集大成として全学必修としている卒業研究の厳密な評価、学生による授業評価アンケート、4月に行う2、3、4年次在学生アンケート、12月~1月に行う卒業前の4年次学生アンケート等により、学修成果を把握してきたが、指標は十分とは言えず、教育改善へとつなげるアセスメント・モデルの構築が求められている。

【これまでの取組、実績・成果】

<取組>
 本事業では、まず、学修成果をより客観的に測定するための成績評価の平準化の促進、IR機能の強化を行う。次に、教養教育の成果の測定にはどのようなアプローチが可能か、アセスメント・ポリシー※に基づき、様々な指標を用いて評価を行うとともに、本学独自の指標の検討・開発を行う。学修成果を専門知識、汎用的能力、態度・志向の3つの領域に分け、それぞれに、客観的に測定可能な指標、自己報告型の指標、外部評価指標から、総合的に可視化するアセスメント・モデルを構築する。外部評価指標として卒業生、企業への調査を行い、社会での本学の教育の評価についても客観的に把握する。
※アセスメント・ポリシー
 東京女子大学は、建学の精神に基づくリベラル・アーツ教育の成果について、多角的観点から複数の指標に基づいて評価を行う。
 上記の評価は、エビデンスに基づいた教育改善を継続的かつ効果的にすすめることを目的とするものである。

<実績・成果>
●事業の進捗に伴って学修成果の可視化が進み、学長のリーダーシップの下、エビデンスに基づく大学改革を迅速に行うことが可能となり、2018年度の教育課程改正につながった。
●様々な指標を用いて、学修成果、学修行動、両者の関係を把握し、その分析結果から、教育・指導の改善に有用な知見について、FD・SD研修を行い、学内で共有している。
●学生の授業外学修時間を、以下の全学的取組により伸長させた。
 ・シラバスを学生の主体的学びを促すツールとなるよう改善
 ・ルーブリック評価の導入
 ・学生による授業評価アンケートの結果を用いて、「学生を主体的に学修させる工夫」を共通テーマに、
  全学(各学科・専攻・科目運営委員会等)でFD検討会を実施
 ・図書館、CALL学習センター(The Computer Assisted LanguageLearning Center)、
  情報処理センター等の学修環境の整備
●学修成果の可視化の基盤となる成績評価の平準化、教育目標の明確化、教育課程の体系化を進めた。2014年度から教員に対して自身の成績評価分布をWeb登録時に確認可能とし、2015年度から成績評価ガイドラインの運用を開始、2016年度からルーブリック評価の導入を開始した。同時に、全授業科目の到達目標、コースナンバリング、カリキュラムマップを策定、学内外に明示した。2017年度には、三つのポリシーの全学的な見直しを行った。

【今後の取組の計画】

 2017年度に行った自己点検・評価結果及び外部評価結果を踏まえ、2019年度までに、リベラル・アーツ教育のアセスメント・モデルを構築し、エビデンスに基づく教学マネジメントを確立させていくとともに、本学の学修成果について説明責任を果たしていく。
○アセスメント・モデルの構築
 今まで蓄積してきた各指標の収集データに基づき、今後も複合的な分析を進めていく。これらを集約し、また、既存の尺度と組み合わせることにより、本学の教養教育の成果に合致する指標を精査し、本学独自のアセスメント・モデルとする。
○教学マネジメントの先導役となる教職員の育成
 教職員の意識や各種指標の運用能力の向上のためのFD・SD研修を実施して、認識や情報の共有、協働体制を促進するとともに、全学的な教学マネジメントの先導役となる教職員の育成を図る。
○事業の総括、発信
 6年間に亘る事業の最終年度には、事業の総括を行い、シンポジウムを開催して成果報告を行う。また、本事業の自己点検・評価を行い、外部評価委員の評価を受ける。その結果も踏まえて事業報告書を作成する。
○テーマⅡ採択校としての活動
 2017年度~2019年度は、テーマⅡの共同シンポジウムと実績報告書の作成に参加し、本事業の周知及び成果の情報提供を行う。

【本取組における成果と社会へのインパクト】

●学修成果を「見える化」することにより、本学のリベラル・アーツ教育の長所、短所を明確にして、さらなる教育内容の向上につなげ、本学の学士課程教育の質保証を実現することができる。
●リベラル・アーツ教育の学修成果を多角的に可視化する本学のアセスメント・モデルは、データに基づく教育改善の1つのモデルを提供すると期待できる。

【本取組の質を保証する仕組み】

〇本取組の自己点検・評価及び外部評価を実施し、事業の進捗状況及び達成状況の確認と改善策の検討を行う。2017年度(4年目)の実施結果は本学公式サイトにて公表、今後は2019年度(最終年度)に実施予定。
〇アセスメント・ポリシーを定め、直接的指標と間接的指標を用いて、多角的観点から本学のリベラル・アーツ教育の学修成果の評価を行うとともに、指標の検討、開発を行う。
〇授業レベル、教育プログラムレベル、大学レベルについて、アセスメントの方針と手続きを明示したアセスメント・モデルを構築する。
〇FD・SD研修を恒常的に実施し、教育効果の測定方針等について理解を深める。教職協働の体制を作り、教学マネジメントの先導役となる教職員を育成し、継続的な教育改善を進める体制を整える。

【概要】

具体的な実施計画における指標 2014年度
(起点)
2017年度
(実績)
2019年度
(目標)
退学率 0.9% 1.1 % 0.6%
プレースメントテスト実施率 98.1% 99.1% 99.0%
授業満足度アンケートを実施している学生の割合 94.6% 90.3% 90.0%
授業満足度アンケートにおける授業満足率 91.0% 92.5% 90.0%
学修行動調査の実施率 82.2% 83.2% 80.0%
学修到達度調査の実施率 85.3% 83.5% 80.0%
学生の授業外学修時間 9時間20分 17時間30分 24時間
コア科目のうちルーブリックを導入した授業科目の割合 0% 70.0% 100.0%