大学教育再生プログラム(AP) テーマⅠⅡ複合型

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       教職協働による「AL型授業推進プログラム」

福岡工業大学
   教職協働による「AL型授業推進プログラム」

テーマⅠ「アクティブ・ラーニング」

事業期間:2014年度~2019年度

【取組の概要】

 本事業は、本学の人材育成目標(「自律的に考え、行動し、様々な分野で創造性を発揮できるような人材(実践型人材)の育成」)を達成するため、本学の教育改革のフレームに「教授方法の質的転換」を加え、その具体的方策としてアクティブ・ラーニング(以下AL)の全学的展開を推進、学生の「知識定着」と「能動的な学習態度の涵養」の実現を図ろうとする取組である。具体的には、事業期間を通じた実施計画である「AL型授業推進プログラム」を策定し、①教職協働によるAL型授業推進体制の構築、②3つのポリシー改訂、③AL事例調査・研究、④ALテーマ講演会、報告会、⑤AL対応「クラス・サポーター」育成、⑥AL対応教室整備、⑦AL型授業アーカイブシステム構築、⑧在学生・卒業生アンケート、⑨成果公表の各課題に取り組む。
 また、本事業により、AL型科目の割合、AL型授業受講生の割合、ALを行う専任教員の割合のそれぞれを8割まで引き上げる。

【取組のポイント】

➢ AL型科目の割合・ALを受講する学生数の割合・ALを実施する専任教員の割合をそれぞれ8割まで引き上げ、学生の学びの変容と成長を目指す。
➢ クラス・サポーター(CS)の活用により、AL型授業の効果的運営と学生の学習深化を図る。
➢ AL型授業に先駆的に取り組む教員をファカルティ・ディベロッパー(FDer)として認定し、AL全学展開の先導役としてAL手法の共有化と効果検証を推進する。
➢ 学習ポートフォリオ(FIT-AIM)を導入し、学生の学びの可視化と振り返りを促す。

【キーワード】
「AL全学展開」、「クラス・サポーター(CS)」、「ファカルティ・ディベロッパー(FDer)」、「学習ポートフォリオ」

【人材育成目標】

 本学の人材育成目標は「自律的に考え、行動し、様々な分野で創造性を発揮できるような人材(実践型人材)の育成」である。
 実践型人材が修得すべき知識・能力を以下のA~Iの要素に分け、各学科において、ディプロマ・ポリシー(学位授与方針)として設定している。

A.地球的観点から多面的に物事を考える能力とその素養
B.技術が社会や自然に及ぼす影響や効果、及び社会に対して負っている責任に対する理解
C.数学及び自然科学(人文社会科学)に関する知識とそれらを応用する能力
D.分野において必要とされる専門知識とそれらを応用する能力
E.種々の科学技術、情報及び知識を活用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
F.論理的な記述力、口頭発表力、討議等のコミュニケーション能力
G.自主的、継続的に学習する能力
H.与えられた制約の中で計画的に仕事を進め、まとめる能力
I.チームで仕事をするための能力

【教育上の課題】

 本補助事業全体の目的は、本学の人材育成目標(実践型人材の育成)を達成するため、学生の「知識の定着」と「能動的な学習態度の涵養」の実現を図ることである。その方法としてALの導入、活用が効果的であるとの知見はキャリア教育の充実・強化の活動等のいくつかの試みを通じて学内で共有されてきたが、実践例、ノウハウの共有、効果測定等については十分なものがなく、全学的、組織的な展開には至っていなかった。この主要な要因は、これまでの本学の教育改革では、実践型人材育成のための制度的枠組みの構築に努めながらも、教育現場での具体的、実際的な教授方法を提示しきれていなかったことにある。
 そこで、本事業では本学の教育改革のフレームに「教授方法の質的転換」を加え、その具体的方策としてAL型授業の全学的、組織的な展開を加速的に進めていく。加えて、「能動的な学習態度の涵養」に関する評価方法を確立し、「知識の定着」と併せて客観的な評価を行うことにより、本学における質保証を伴った教育を実現していくことが課題である。

【これまでの取組、実績・成果】

<取組>
 全事業期間を3つのフェーズに整理し、以下の取組を実施している。
■ 第1フェーズ:条件整備(2014~2015年度)
・実施体制の整備(教育技術開発WG設置)
・3つのポリシーの見直し
・AL対応講義室の整備
・授業アーカイブシステムの導入
・AL実践研究会の発足
■ 第2フェーズ:全学展開(2016~2017年度)
・ファカルティディベロッパー(FDer)の認定
・ALをテーマとした報告会・研修会(FD Café)の開催
・学生FDスタッフ(FIT-join)による授業改善活動開始
■ 第3フェーズ:評価・改善(2018~2019年度)
・学習ポートフォリオ(FIT-AIM)の導入
・PROGテストによる事業成果の検証
・能動的な学習態度の評価指標(ルーブリック)開発
・卒業生調査・企業担当者ヒアリング実施

<実績・成果>
 本学におけるAL型科目の割合・ALを受講する学生数の割合・ALを実施する専任教員の割合は事業終了を待たずにそれぞれ80%を超え、学生の学びの変容と成長に一定の成果を見ることができる。中でもALを行う専任教員の割合は、事業開始時64.4%(2014年度)から95.7%(2017年度)に上昇、AL全学展開の具体的かつ実質的展開が図られたといえる。実質的展開を後押しした方策として、FDerによる授業実践例の共有や、CS活用による学生の学びの深化、教員・職員・学生による授業改善活動の実践等がある。

【今後の取組の計画】

<取組の計画>
 これまでの取組をもとに事業成果を点検・検証し、取組の改善につなげるとともに、事業期間終了後の取組継続に向けた体制を整備する。具体的には、2018年度から2019年度に実施予定の卒業生調査および企業担当者へのヒアリング結果等から本学の人材育成目標達成に本事業がいかに寄与したかについて成果検証を行う。

【本取組における成果と社会へのインパクト】

●クラスサポーターを育成・活用し、AL型授業の効果的運営と学生の学習深化を図るノウハウは他学でも参考モデルとなる。
●本学で開発した学習ポートフォリオ「FIT-AIM」は、主体的学びを促進する機能(ルーブリックによる主体性評価、授業外学修時間の計画・実施、LMSによる学びの記録等)を取り入れており、他学でも参考モデルとなる。
●学生FDスタッフ「FIT-join」の活動は、学生を学びの主体者とし、教職員と学生を繋ぐ授業改善活動の実例として他学でも参考モデルとなる。

【本取組の質を保証する仕組み】

<成果の測定項目>
 ALの進展に伴う成果を測る指標として、学生の「知識の定着」と「能動的な学習態度の涵養」について9項目を設定し、それらの調査結果をもとに取組の点検を行い、改善に繋げている。具体的には、「知識の定着」については学業成績・資格取得者数、「能動的な学習態度の涵養」については授業外学修時間、PROGテスト、授業アーカイブ利用数と視聴時間、学生の社会的活動へのコミットの度合い(ボランティア活動や地域活動への参加率)、就職活動の状況(就職先が自分の目標に適っているとした満足度)、卒業後の生涯学習姿勢を項目として設定している。PROGテストについては、1年次(2015)と3年次(2017)で追跡実施し、結果を比較したところ、リテラシー能力はすべての学部で伸長したが、コンピテンシー能力では学部ごとに異なる結果となった。
<点検・成果公表>
 外部評価委員3名を含む評価委員会を各年度2回開催し、高等学校・産業界・教育専門家からの助言を受けながら取組の改善を行っている。また、各年度で「事業報告書」および「FD AnnualReport」を発行し、学内外への情報公開および報告を行っている。

【概要】

具体的な実施計画における指標 2014年度
(起点)
2017年度
(実績)
2019年度
(目標)
AL(アクティブ・ラーニング)を導入した授業科目数の割合 53.6% 80.2% 80%
AL科目のうち、必須科目数の割合 31.4% 36.4% 20%
ALを受講する学生の割合 96.6% 89.5% 80%
学生1人当たりAL科目受講数 10.4科目 13.5科目 10科目
ALを行う専任教員数の割合 64.4% 95.7% 80%
学生1人当たりのAL科目に関する授業外学修時間(1週間あたり) 6.3時間 20 時間
ファカルティディベロッパーの人数 2人 4人
クラス・サポーターの人数 20人 75人 60人